年長の一年は、親の不安がいちばんふくらむ一年かもしれません。ランドセルや入学準備金の話題に混じって、「入学準備の勉強はいつから?」「うちの子、まだひらがなが書けない」「〇〇ちゃんはもう本が読めるらしい」と、気になる声が耳に入ってきます。どれもつきつめると同じ問いです。小学校入学準備は、どこまでやれば足りるのか。そして、幼児期の最後の一年を勉強づけにしないためにはどうすればいいのか。

この記事では、よく聞く7つの不安を順に取り上げ、小学校がほんとうに求めていることと、Dino Kids で手伝えること・手伝えないことを整理します。
入学準備で親が不安になる理由
文部科学省は、5歳児から小学1年生までの2年間を「架け橋期」と呼び、園と小学校が手を取り合って子どもの学びをつなぐ「幼保小の架け橋プログラム」を進めています。小学校のほうでも、入学直後の数週間は「スタートカリキュラム」で、遊びに近い活動から授業へと少しずつ慣らしていきます。
国語の学習指導要領でも、ひらがなの読み書きは1年生で身につける内容です。小学校は「ひらがなを教える場所」としてつくられていて、入学時にできているかを確かめる場所ではありません。
それでも不安になるのは、同じ教室にすらすら読める子とまだ読めない子が並ぶから。授業のテンポが園より速いから。そして「小1プロブレム」という言葉を聞いて、わが子が最初につまずかないかと心配になるからです。
不安1:「ひらがなが読めない・書けないまま入学して大丈夫?」
入学前にひらがなを全部読み書きできる必要はありません。入学後に役立つのは、その手前にある力です。いくつかの文字を見分けられる、ことばの最初の音が聞き取れる(「あめ」は「あ」から始まる)、お話を聞くのが好き、本をこわがらない。
Dino Kids でできること:「にほんご」の中の「ごじゅうおん」には、ひらがな104枚とカタカナ46枚のカードがあります。カードにふれると、文字の音、つづいて例のことばが読み上げられます(「あ … あめ」)。字が読めない子にも分かるように、絵文字がついています。

「かなの かきかた」では、ひらがな・カタカナを書き順どおりになぞり、線ごとにどれだけ正確に書けたかを見てくれます。問題はすべて読み上げられるので、字が読めない子もひとりで進められます。
不安2:「入学前に先取り勉強をしたほうがいい?」
いちばん答えにくい問いですが、大事なのは「何を」より「どうやって」です。長い時間机に向かわせ、赤ペンでバツをつけ、ほかの子とくらべる。そんな準備は、入学前に勉強ぎらいをつくってしまいかねません。一方、毎日少しずつ、子どものペースで文字や数とあそぶのは、どの家庭でもできる自然ななじみかたです。
Dino Kids でできること:アプリは後者のためにつくっています。星が0個になることはなく、バツ印も赤い色もありません。1回目にまちがえるとカードが軽く光るだけ。2回目はまちがいの選択肢がうすくなり、3回目はお手本を見せて次へ進みます。レッスンは順番に開くので、むずかしすぎるレッスンにいきなり入ることはありません。レッスンを終えるとあそぶ じかんのチケットがもらえます。
Dino Kids は先取り学習の教室ではありません。これから出会う文字や数に、プレッシャーなしで何度でも出会える「遊び場」です。
不安3:「えんぴつの持ちかたがへん。字がきたない」
この時期に気にしたいのは、字の上手下手より「くせ」です。正しい姿勢で座る、えんぴつを正しく持つ、線を上から下へ、左から右へ引く。くせは直すのに時間がかかりますが、きれいな字は小学校でていねいに練習します。
Dino Kids でできること:「かなの かきかた」はひとつの文字を書き順どおりになぞる練習なので、形と順番を覚えるのに向いています。「さんすう」には「すうじの かきかた」もあります。

正直に書いておくと、画面の上の指は、紙の上のえんぴつの代わりにはなりません。アプリは文字の形と書き順を覚える手伝いです。手そのものは、紙にぬり絵をしたり、絵をかいたり、はさみを使ったりして育てていきましょう。アプリの「点つなぎ」「めいろ」「ぬりえ」は、そのための準備運動です。
不安4:「算数についていけなかったら?」
1年生の算数は、数える、数字を読む、多い・少ないをくらべる、10までのたし算・ひき算から始まります。年長の算数で「どこまで」と気になったら、身の回りのものを数えられて、「ふえる」「へる」が分かっていれば十分な土台です。
Dino Kids でできること:「さんすう」には5つのまとまりがあります。かたち(しかく・まる・さんかく・ながしかく)、0〜10の数、くらべる(多い・少ない・同じ、> < =)、10までのたし算・ひき算、そしてまとめ。年長の子はまだ頭の中で計算できないので、どの式にも数字の下に数えるための絵が並びます。ひかれる数はうすく線を引いて描くので、合わせて数えてしまうこともありません。


3つめのマス「かんがえる さんすう」
は、きまり・なかま分け・位置・大きさ・推理の28レッスン。計算より前にある考えかたを育てます。くわしくは幼児の思考力を育てる算数で紹介しています。
不安5:「45分も座っていられない」
5歳の子が一つの活動に集中できるのは、5〜10分ほどといわれます(米国CDCの発達の目安)。座っていられる時間は年齢とともに少しずつのびるので、早くから無理にのばす必要はありません。
Dino Kids でできること:レッスンはどれも短く、一度にすわれる長さです。ホーム画面のいちばん上には「きょうの やること」があり、小さな3つのやることが並びます。終わったものにはチェックがつくので、たくさんのマスの中から迷わずに選べます。3つ終わったらおしまい。「少しやって、休む」は小学校にも持っていけるよい習慣です。端末全体の使用時間は、iPad や iPhone、Android の時間管理機能で決めておくと安心です。

不安6:「人見知りで、新しい学校がこわいみたい」
ここはアプリでは代われない部分です。入学への心の準備には、人の手が必要です。通学路をいっしょに歩いてみる、1年生の一日の話をする、自分でトイレに行く、給食の準備をする、「手伝ってください」と言える。
Dino Kids が少しだけ手伝えること:おはなしには読み上げつきの昔話があり、じっと座ってお話を聞き、あとで話し直したり、お話について質問に答えたりする練習になります。どれも1年生の教室で毎日使う力です。寝る前にいっしょにお話を聞く時間は、子どもが何を心配しているのか聞き出しやすい時間でもあります。
不安7:「忙しくて、どこまで進んだか分からない」
Dino Kids でできること:
設定の中の「学習の記録」で、まとまりごとに終わったレッスンの数、よくまちがえる問題の種類、書くのが苦手な文字、毎日の学習時間を見られます。子どもごとにプロフィールが分かれているので、きょうだいの記録がまざることもありません。アカウントがあれば、iPad とスマートフォンのあいだで進みぐあいが同期されます。子どものとなりで10分、「どうやったの?」と聞きながらいっしょにふり返るほうが、1時間ひとりでやらせるよりずっと意味があります。

入学前にできるようにしておきたいこと
入学試験があるわけではありません。下のリストは、入学後の最初の数週間を安心して過ごすためのヒントで、全部そろえるための基準ではありません。
- 身のまわりのこと:自分でトイレに行く、食べる、上着を着る、自分の持ち物を片づける。
- 聞いて動く:2〜3段階の指示を聞いて動ける、順番を待てる、話したいときに手をあげられる。
- ことば:自分の名前や家族の名前が言える、短いお話を始めから終わりまで話せる。
- 文字:いくつかのひらがな、とくに自分の名前の文字が分かる。読み聞かせが好き。
- 数:ものを10まで数えられる、多い・少ないがくらべられる、基本のかたちが分かる。
- 手先:えんぴつを正しく持てる、ぬり絵ができる、まっすぐな線やまるい線がかける。
- 気持ち:悲しいとき、こわいときに言葉で伝えられる。助けを求められる。
できていない項目があっても大丈夫です。子どもの育ちには一人ひとりのペースがあり、1年生には1年かけて大きくなる時間があります。
知っておきたいこと
- Dino Kids は App Store と Google Play で配信しています。iPad、iPhone、Android で使えます。アプリ全体が無料で、広告もアプリ内課金もありません。Dino Kids は Digi Dinos が社会のためにつくっている製品で、収益のためのものではありません。
- 「さんすう」と「かんがえる さんすう」は5か国語(ベトナム語・日本語・英語・韓国語・中国語)に対応し、問題はすべて読み上げられます。
- 「さんすう」と「かんがえる さんすう」の最初のレッスンはアプリに入っています。ほかのレッスンは、インターネットにつながっているときに自動でダウンロードされます。アカウントは必要ありません。一度ダウンロードしたレッスンはオフラインでも使えます。アカウントは、作品と進みぐあいを端末どうしで同期するためのものです。
- ひらがな・カタカナの書き順データは KanjiVG(CC BY-SA 3.0)をもとにしています。問題と説明は Dino Kids チームがつくり、絵は端末の絵文字です。子どもに合わないレッスンがあったり、ほしい問題の種類があったりしたら、dinokids@digidinos.com までお知らせください。
参考文献
- 文部科学省「幼保小の架け橋プログラム」。
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章 第1節 国語。
- CDC(米国疾病予防管理センター)「Important Milestones: Your Child By Five Years」。