10まで数えられるようになるずっと前から、子どもは自分なりのやり方で算数をしています。靴下を2枚ずつ組にする。しましまのシャツが赤、白、赤、白とくり返していることに気づく。お兄ちゃんのケーキのほうが大きいと言い張る。ねこはテーブルの「上」ではなく「下」にかくれていると知っている。そんなとき子どもは、きまりを見つけ、なかま分けをし、くらべ、位置をとらえています。数より前にある、算数のいちばん最初の土台です。

低いテーブルで遊ぶおじいちゃんと男の子。赤・青・黄に分けたブロックの器、赤と青が交互に並ぶ玉、小さい順に立つ三匹のくま、同じ並び方を映すタブレット。恐竜のマスコットもテーブルに手をかけて見ている

この記事では、思考力の算数とは何か、研究者がなぜこうした力を重く見ているのか、3〜6歳の子に負担なく身につけてもらうコツ、そして Dino Kids の「かんがえる さんすう」で学べることを紹介します。

思考力の算数とは

ここでいう思考力の算数は、暗算を速くすることではありません。計算より「前」にある考えかたのことです。

  • きまり:何かがくり返していることに気づき、次に来るものを当てる。
  • なかま分け:同じなかまを集め、ひとつだけちがうものを見つける。
  • 位置と空間:上、下、中、外、となり、左、右。
  • 大きさ:大きい・小さい、長い・短い、重い・軽い。小さい順に並べる。
  • 順番と推理:何が先で何があとか。「これはあれと組になる」なら、新しいものは何と組になるか。

どれも、字が読めたり数がたくさん数えられたりする必要はありません。よく見て、くらべて、少しずつ「どうしてそれを選んだか」を言えるようになれば十分です。

なぜこうした力が大切なのか

信頼できる長期研究のいくつかが、幼児期の算数とその後の学びのつながりを示しています。

  • 子どもを長年追った6つのデータを分析した研究(Duncan ら、2007年)では、就学時に測った力(算数、読み、注意力)のうち、その後の学力をもっともはっきり予測したのは算数の力でした。
  • 500人以上の子どもを4歳から11歳まで追った研究(Rittle-Johnson ら、2017年)では、就学前のきまり(パターン)の理解が、数えることや量をくらべることと並んで、小学5年生の算数の成績を予測していました。著者たちは、就学前と小学校低学年でパターンにもっと時間を割くことを提案しています。
  • ある総説(Young、Levine、Mix、2018年)は、空間の力と算数の力が子ども時代を通じて関係していることをまとめています。ただし、どのように支え合っているのかはまだ研究の途中です。

正確に言えば、これらは観察されたつながりであって、アプリや教室に通えば算数が得意になるという約束ではありません。示しているのはもっとシンプルなことです。くらべる、なかま分けする、きまりを見つけるといった毎日の遊びは、子どもといっしょにする価値があり、早く始めるほどよい、ということです。

3〜6歳に合った学びかた

  • 文字ではなく、目と耳で。 小さな子はまだ字が読めません。問題には絵が必要で、読み上げも必要です。
  • まずやりかたを見て、それから自分で。 3歳の子は説明のことばだけでは考えをつなげられません。一度、答えを「見る」ことが大切です。
  • 小さな一歩ずつ。 2色のくり返し、3つの選択肢から始めて、慣れてきたら3つのくり返し、4つの選択肢へ。
  • 大人が寄りそう遊びで。 17の研究をまとめたメタ分析(Skene ら、2022年)では、大人がさりげなく学びの目標へ導く「ガイド付きの遊び」が、直接教える方法とくらべて、早期の算数の力と図形の理解によい効果を示しました。
  • 点数でプレッシャーをかけない。 まちがいは学びにつきものです。ヒントを出し、やって見せ、もう一度やらせてあげましょう。赤いバツは必要ありません。

Dino Kids の「かんがえる さんすう」

Dino Kids の「さんすう」に「かんがえる さんすう」🧩 が加わりました。3〜6歳の子ども向けです。ホーム画面で「さんすう」をタップし、「かんがえる さんすう」をタップします。数や計算のレッスンとは別に進むので、数のレッスンを終えていなくても始められます。

全部で 6つのユニット、28のレッスンがあります。

  1. きまり:次に来るものを当てる、まん中のぬけているところを見つける、最後の2つをうめる。20までの数で、1、2、5、10ずつ増えたり減ったりする数の並び。
  2. なかまわけ:ひとつだけちがうものを見つける、まったく同じものを見つける、同じなかまを全部選ぶ(空を飛ぶもの、水の中にすむもの、くだもの、のりもの…)、組になるものを線でつなぐ。
  3. どこに あるかな:上、下、中、外、となり。左と右は子どもから見た画面の向きのまま。左から数えて何番目か。
  4. おおきさ:いちばん大きい・小さい・長い・短いもの、小さい順に並べる、どちらが重いか。
  5. 🧠 じゅんばんと すいり:たまごからひよこ、にわとりへ、芽が育って木になる順に並べる。「にわとりはとうもろこしと組なら、いぬは何と組?」。形と色の両方が合うものを選ぶ。
  6. まとめの ちょうせん:ユニットをまぜた2つのおさらいと、さいごのテスト。
Dino Kids の「かんがえる さんすう」のマップ。「きまり」と「なかまわけ」のユニットに5つずつレッスンが並ぶ
「きまり」のユニットは1本の道。「まなぼう」、3つの「れんしゅう」、そして「テスト」

ユニットごとに3種類のレッスン

  • 「まなぼう」で各ユニットが始まります。絵のついた説明が5ページあり、ページが出るとすぐに読み上げます。絵には答えがはじめからかいてあるので、子どもは空っぽのわくではなく、答えそのものを最初に「見る」ことができます。絵をタップするともう一度聞け、「わかった!」で次のページへ。そのあと、自分でとく問題が2つあります。
  • 3つの「れんしゅう」は、レベル1からレベル3へ進みます。レベル1は3歳向けで、2色のくり返し、3つの選択肢、なじみのある動物。レベル3は5〜6歳向けで、3つのくり返し、4つの選択肢、動物の多い場面です。
  • 「テスト」でユニットをしめくくります。問題はやさしいものからむずかしいものへ。よくできたら金のトロフィー、まだのときは「もう いちど やって トロフィーを もらおう!」と声をかけます。どちらでもレッスンは「おわった」ことになり、次のレッスンが開きます。点数で子どもを止めることはありません。
「なかまわけ」の「まなぼう」のページ。いぬ・ねこ・うさぎは動物、りんご・バナナ・ぶどうはくだもの
どのページにも絵と読み上げ。準備ができたら「わかった!」をタップします

星が0個になることはなく、バツ印も赤い色も出てきません。問題と説明はベトナム語、日本語、英語、韓国語、中国語の5つの言語があり、どれも読み上げつきです。レッスンを終えると、ほかの科目と同じようにあそぶ じかんのチケットがもらえます。どこまで進んだかは「設定」→「学習の記録」で見られ、「かんがえる さんすう」の欄が別にあります。

おうちでできる、思考力の算数あそび

アプリはきっかけのひとつです。子どもの思考力の算数は、ほとんどが毎日の暮らしの中で育ちます。準備のいらない遊びをいくつか。

  • ならべっこ。 食卓にスプーン、フォーク、スプーン、フォークと並べて「次は何?」と聞いてみます。役を交代して、子どもが並べ、大人が当てるのも楽しいです。
  • なかまごとにお片づけ。 車はこの箱、ぬいぐるみはあの箱。ときどきわざと「まちがえて」、子どもに見つけてもらいましょう。
  • 位置のことばで話す。 「くまさんはまくらの下」「ボールはいすの左」。大きい子には逆にクイズを出してもらいます。
  • くらべて、並べる。 パパの靴、ママの靴、自分の靴。いちばん大きいのはどれ? コップを3つ、低い順に並べてみます。
  • 順番に話す。 けさは最初に何をして、次に何をした?
  • 「どうしてそう思ったの?」と、正しいかどうかよりも多く聞いてみてください。子どもの説明を聞くことが、何を考えているかを知るいちばんの方法です。

知っておきたいこと

  • 「かんがえる さんすう」は App Store と Google Play の Dino Kids で使えます。見当たらないときは、アプリをアップデートしてください。
  • アプリ全体と同じく無料です。広告もアプリ内課金もありません。Dino Kids は Digi Dinos が社会のためにつくっている製品で、収益のためのものではありません。
  • 最初のレッスンはアプリに入っています。ほかのレッスンと読み上げは、子どもが開いたときにダウンロードするので、最初はインターネット接続が必要です。一度ダウンロードしたレッスンはオフラインでも使えます。
  • 問題、説明、絵の組み合わせは Dino Kids チームが自分たちでつくったもので、本やほかのアプリから写したものではありません。絵は端末の絵文字です。子どもに合わない問題があったり、ほしい問題の種類があったりしたら、dinokids@digidinos.com までお知らせください。

参考文献