「知育アプリ 無料 3歳」と検索すると、明るいイラストと「考える力が育つ」という言葉が並んだアプリがいくつも出てきます。ところが入れてみると、3つ目のステージから鍵マークがついていたり、遊んでいる途中で広告が流れたり、問題が文字だけで子どもが何をすればいいのか分からなかったり。消して、また探して、を何度か繰り返したことのある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、おすすめのアプリを並べることはしません。代わりに、ダウンロードする前に保護者が自分で確かめられる7つのチェックをまとめました。App Store や Google Play のアプリページを見るだけで分かることと、子どもに渡して最初の数分で分かること。合わせて5分ほどです。どこを見ればいいのか、なぜそれが3〜6歳の子にとって大事なのかもあわせてお伝えします。

まず一覧で:7つのチェック

  1. 広告はあるか ― Google Play ではアプリ名の下に「広告が表示されます」と出ます。この表示がなければ安心材料です。
  2. 本当に無料か、最初の数ステージだけか ― App Store は「アプリ内購入」、Google Play は「アプリ内購入あり」の表示を確認します。
  3. どんなデータを集めるか、登録が必須か ― App Store の「アプリのプライバシー」、Google Play の「データ セーフティ」、そしてアプリを開いて最初の画面を見ます。
  4. 字が読めない子がひとりで遊べるか ― 5分だけ、何も説明せずに渡してみます。
  5. ボタンは小さな指に十分な大きさか ― 同じ5分のあいだに、タップが一度で決まるかを見ます。
  6. 通信なしでも動くか ― 機内モードにしてから開いてみます。
  7. まちがえたとき、アプリはどう反応するか ― わざと一度まちがえてもらいます。

ここから一つずつ説明します。

1. 広告はあるか

Google Play では、アプリ名のすぐ下に「広告が表示されます」と書かれます。広告の有無は開発者が申告する項目なので、この表示がないことは一つの目安になります。

App Store には広告専用の表示がありません。手がかりは二つです。一つは「アプリのプライバシー」の欄に「ユーザのトラッキングに使用されるデータ」があるかどうか。ほかの会社のアプリやウェブサイトをまたいで利用者を追跡する目的のデータで、広告と結びついていることが多い項目です。もう一つは「評価とレビュー」で、星の少ないレビューを数件読むことです。広告は、いちばんよく書かれる不満の一つです。

3歳の子にとって、広告は「じゃま」だけではすみません。どこまでが遊びで、どこからが別のアプリの宣伝なのか、まだ区別がつかないからです。指が一度すべれば、ストアや知らない動画に飛んでしまいます。「動画を見るとごほうびがもらえる」という形の広告は、広告を待つことも遊びの一部だと教えてしまいます。

2. 本当に無料か、最初の数ステージだけか

ダウンロードボタンには「入手」とあっても、遊べるのは最初のいくつかだけで、続きは月額の有料プランという作りは少なくありません。ダウンロード前に見分ける方法はこうです。

  • App Store: アプリ名の近くに「無料 · アプリ内購入」とあれば、アプリの中で何かを販売しています。ページを下にスクロールした「情報」の欄にある「アプリ内購入」をタップすると、商品ごとの名前と価格が並びます。
  • Google Play: アプリ名の下に「アプリ内購入あり」と出ます。

アプリ内購入がないから、そのアプリのほうが優れているとは限りません。ただ、途中で鍵マークに出会うことがないと前もって分かれば、「どうして次のが開かないの?」と泣く子に説明する場面はなくなります。説明文の終わりのほうに、無料体験のあとの自動更新について書かれていることも多いので、そこも読んでおくと安心です。

3. どんなデータを集めるか、アカウント登録が必須か

どちらのストアも、アプリが集めるデータを開発者自身が申告する決まりになっています。App Store は「アプリのプライバシー」、Google Play は「データ セーフティ」です。

特に見ておきたいのは次の項目です。

  • App Store: 「ユーザのトラッキングに使用されるデータ」と「ユーザに関連付けられたデータ」。
  • Google Play: 「共有されるデータ」(ほかの企業や組織と共有される可能性があるデータ)と「収集されるデータ」。

3歳の子のためのアプリが、位置情報や連絡先を必要とする理由はほとんどありません。これらはあくまで開発者の申告なので、少ないほど安心、という読み方をしてください。

もう一つ、アプリを開いて最初の画面も確かめます。子どもが遊ぶ前にメールアドレスや電話番号の登録を求めるアプリは、試してもらう前に保護者の情報を受け取ろうとしています。登録しなくても始められるかどうかは、最初の画面を見ればすぐ分かります。

4. 字が読めない子がひとりで遊べるか

ストアのページからは分からないので、試すしかありません。5分だけ、何も説明せずに子どもに渡して、横で様子を見てください。

字が読めない子に合ったアプリには、たいてい次の三つがそろっています。

  • 文字やカードにさわると、声で読み上げてくれる。
  • 問題に絵と読み上げの声がついていて、文字の一行だけではない。
  • 1回分が終わると「つぎへ」のボタンが出て、ホーム画面に戻って自分で探さなくてよい。

5分のあいだに何度も「ママ、どこおすの?」と振り返るなら、そのアプリは保護者がずっと隣にいる前提で作られています。それが悪いわけではありませんが、知ったうえで選べます。

5. ボタンは小さな指に十分な大きさか

Apple のデザインガイドライン(Human Interface Guidelines)は、タップできる範囲を最低でも44×44ポイントにするようすすめています。これは大人の指を想定した数字です。3歳の子の指は細いのに、ねらった場所をタップするのはまだ苦手なので、子ども向けのボタンはそれよりずっと大きいほうが合っています。

試すときに分かりやすいサインは、タップがずれる、二度押してしまう、隣のボタンを押してしまう、の三つです。それから、小さな子はタブレットを片手で抱えて、もう一方の手の指を一本、画面にのせたままにしていることがよくあります。それを想定していないアプリは、子どもから見ると「言うことを聞かない」アプリになります。

6. 通信なしでも動くか

機内モードにしてから、アプリを開いてみてください。子ども向けアプリの中には、毎回ネットから中身を読み込むだけの作りのものがあります。車での移動中や帰省先、病院の待合室で電波が弱いと、くるくる回る読み込みの印が出たままになります。よくできたアプリなら、一度ダウンロードした分は通信がなくても遊べます。

7. まちがえたとき、アプリはどう反応するか

子どもに、わざと一度まちがえてもらいましょう。大きなブザー音、赤い×、ライフが減る、点数が引かれる。こうした反応は、3〜4歳の子をがっかりさせ、やめてしまうきっかけになりがちです。この年ごろに合うのは、やさしくヒントを出して、もう一度やらせてくれて、できたらほめてくれる反応です。

1日に使う時間は、端末の機能で区切る

よいアプリを選べたら、それで終わりではありません。WHO(2019年)は2〜4歳の画面の時間を1日1時間までとし、少ないほどよいとしています。米国小児科学会(2016年)も2〜5歳は質のよい番組を1日1時間程度までとしています。日本小児科医会の考え方や、iPhone・iPad のスクリーンタイム、Android のファミリー リンクで時間を区切る手順は、「幼児のスマホ時間は1日何時間まで?」で詳しくまとめています。

Dino Kids をこの7つに当てはめると

Dino Kids は私たち自身がつくっているアプリです。ですから、ここは採点ではなく、保護者の方がご自分で見比べるための材料として読んでください。

  • 広告: ありません。
  • アプリ内購入: ありません。月額の有料プランもありません。
  • データ: 第三者の解析ツールや追跡のしくみは入っていません。
  • アカウント: 必須ではありません。最初の画面に「アカウントなしで始める」ボタンがあり、そのまますぐに使えます。アカウントは、作品や学習の進み具合を複数の端末で同期したいときだけ使います。
  • 字が読めない子: 文字のカードにさわると読み上げます。問題には絵と読み上げの声がついています。
  • ボタンの大きさ: 子ども用のボタンは iPad で88ポイントです。指が一本画面にのったままでも、操作できるように作っています。
  • 通信なし: ダウンロード済みのぬり絵、レッスン、おはなしは、通信がなくても使えます。
  • まちがえたとき: なぞり書きで線からはみ出すと、その線がうすく消えて、もう一度書けます。赤い色も「まちがい」という文字も出ません。星が0個になることもありません。

まだできないこともはっきりお伝えします。Dino Kids には、遊ぶ時間を区切るタイマーの機能がありません。時間の管理は、上で紹介したスクリーンタイムやファミリー リンクを使ってください。

対応している端末は iPad、iPhone(iOS 15以降)、Android(7.0以降)です。中身は、ぬり絵、ひらがな・カタカナのなぞり書き、さんすう、ピアノ、英語・韓国語・中国語、そして漢字です。気になることへの短い答えはよくある質問にまとめています。

参考文献