大国主と ねずみ
野はらで こまった 大国主の みことを、小さな ねずみが たすける おはなしです。
むかしむかし、大国主の みことは、すさのおの みことの 家を たずねました。すさのおの みことは、強くて こわい 顔の 神さまです。その 家には、すせりびめと いう やさしい むすめが いました。すせりびめと 大国主の みことは、すぐに なかよしに なりました。
「むすめの おむこさんに なりたいなら、わしの ためしを うけて みよ。」すさのおの みことは 弓を ひいて、矢を ひゅうっと 広い 野はらへ とばしました。「あの 矢を ひろって きなさい。」大国主の みことは、草を かきわけて 野はらの まんなかへ 入って いきました。
すると、まわりの 草が ぱちぱちと もえはじめました。火は ぐるりと 野はらを かこんで、だんだん ちかづいて きます。「どこにも にげみちが ない。どう しよう。」
その とき、足もとから 小さな ねずみが ちょろりと 顔を 出しました。「うちは ほらほら、そとは すぶすぶ。」ねずみは そう 言って、また すがたを かくしました。「なかは ひろくて、入口は せまい、と いう ことかな。」大国主の みことが 足で 地面を ふむと、すぽっと あなに おちました。あなの なかは 広くて、大国主の みことが すっぽり かくれられました。火は ごうごうと 上を とおりすぎて、やがて きえて しまいました。
しばらくすると、さっきの ねずみが 矢を くわえて もって きて くれました。矢の はねは、ねずみの 子どもたちが すこし かじって いました。「ねずみさん、ありがとう。おかげで たすかったよ。」
いっぽう すせりびめは、大国主の みことが しんぱいで たまりません。「どうか ぶじで いて。」そこへ 大国主の みことが、矢を もって 元気に 帰って きました。すせりびめは うれしくて、声を あげて かけよりました。すさのおの みことも、これには びっくりです。「おまえは なかなか かしこいのう。」「むすめを 大切に して、りっぱな 国を 作るのだぞ。」こうして 大国主の みことと すせりびめは、なかよく くらしたと いう ことです。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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