国引き
大きな 神さまが、つなで 海の むこうの 土地を ひっぱって きて、国を ひろげる おはなしです。
むかしむかし、いずもの 国に、とても 大きな 神さまが いました。名前を、やつかみずおみつのの みことと 言いました。ある 日、神さまは 高い ところから、自分の 国を ながめました。「うーん、わしの 国は ほそくて 小さいなあ。まるで ほそながい ぬのきれの ようだ。」「そうだ、よその 国で あまって いる 土地を、すこし わけて もらおう。」
神さまは、海の むこうを ぐるりと 見わたしました。すると 遠くの 国に、ひろびろと あまって いる 土地が 見つかりました。神さまは 大きな くわで、その 土地を ざっくりと きりわけました。それから じょうぶな つなを かけて、両手で しっかり にぎりました。「くにこ、くにこ。」かけごえと いっしょに ひっぱると、土地は 海の 上を そろり そろりと やって きました。そして いずもの 国の はしに、ぴたりと くっつきました。
「よし、もっと ひっぱろう。」神さまは 北の 国からも、そのまた むこうの 国からも、土地を ひいて きました。「くにこ、くにこ。」ひっぱる たびに、いずもの 国は 大きく ひろがって いきました。
ひいて きた 土地が 流されないように、神さまは 大きな くいを うちこんで、つなを むすびました。その くいは、いまの さんべさんや だいせんと いう 山に なったそうです。また、ひっぱった つなは、長い 長い すなはまに なりました。
しごとを おえた 神さまは、つえを 地面に とんと ついて、ひたいの あせを ふきました。「ああ、これで ひろくて いい 国に なった。」いずもの 国には 田んぼも 畑も ふえて、人も 動物も なかよく くらしました。いまでも いずもの 海べに 立つと、神さまが ひいた つなの すなはまが 見えるのですよ。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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