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花はな咲さかじいさん

日本にほんの昔話むかしばなし・全文(ふりがなつき)

やさしい おじいさんが、かれ木きに 花はなを さかせる おはなしです。

「花咲かじいさん」のさし絵:おじいさんが 木に のぼって はいを まくと、村じゅうの 木に 花が さきました。

むかしむかし、ある 村むらに、やさしい おじいさんと おばあさんが 住すんで いました。ふたりは「しろ」と いう 白しろい 犬いぬを、わが子この ように かわいがって いました。となりには、よくばりで いじわるな おじいさんが 住すんで いました。

ある 日ひ、しろが 畑はたけで「ここ ほれ、わんわん」と 鳴なきました。おじいさんが くわで 土つちを ほって みると、ぴかぴかの こばんが ざくざく 出でて きました。それを のぞいて いた となりの おじいさんは、しろを むりやり ひっぱって いきました。「さあ、わしの 畑はたけでも 鳴なけ。」しろが こまって くんくん 鳴なくと、となりの おじいさんは そこを ほりました。けれども 出でて きたのは、こわれた おちゃわんや 石いしころ ばかりでした。となりの おじいさんは おこって、しろを 大おおきな 声こえで おいはらいました。しろは びっくりして、遠とおくの 山やまへ にげて いって しまいました。

やさしい おじいさんは しろを さがしましたが、どこにも 見みつかりません。「しろが 帰かえって きたら、すぐに わかるように しよう。」おじいさんは、しろが ほった ところに 小ちいさな 木きを 植うえました。木きは ぐんぐん のびて、あっと いう 間まに 大おおきな 木きに なりました。おじいさんは その 木きで うすを 作つくり、おもちを つきました。ぺったん、ぺったんと つくと、おもちは きらきら 光ひかる こばんに かわりました。

それを 聞きいた となりの おじいさんは、うすを むりやり かりて いきました。けれども、となりの おじいさんが つくと、うすからは どろが ぼこぼこ 出でて きます。となりの おじいさんは おこって、うすを 火ひに くべて もやして しまいました。やさしい おじいさんは かなしみながら、のこった はいを ざるに 入いれて もち帰かえりました。帰かえる とちゅう、風かぜが ふいて、はいが かれ木きに ふりかかりました。すると、かれ木きに ぱあっと さくらの 花はなが さきました。

「かれ木きに 花はなを さかせましょう。」おじいさんが 木きに のぼって はいを まくと、村むらじゅうの 木きに 花はなが さきました。ちょうど 通とおりかかった おとのさまは たいそう よろこんで、ごほうびを くださいました。となりの おじいさんも まねを して はいを まきましたが、花はなは 一ひとつも さきません。はいは 風かぜに のって、おとのさまの 顔かおに ばさっと かかって しまいました。おとのさまは「はっくしょん」と くしゃみを して、かんかんに おこりました。となりの おじいさんは けらいたちに うんと しかられて、すごすごと 帰かえって いきました。

その 夜よる、やさしい おじいさんの 家いえの 戸とを、だれかが かりかりと ひっかきました。戸とを あけると、そこには あの しろが しっぽを ふって 立たって いました。「しろ、おかえり。」おじいさんと おばあさんは、しろを ぎゅっと だきしめました。それからは みんなで、いつまでも なかよく くらしたと いう ことです。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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