三年 ねたろう
三年も ねて いた ねたろうが、村の たんぼに 水を ひく おはなしです。
むかしむかし、ある 村に、ねたろうと いう 男が いました。ねたろうは、朝も 昼も 夜も、ぐうぐう ねて ばかり いました。一年 たっても、二年 たっても、まだ ねて います。村の 人たちは「なまけものの ねたろう」と よんで、あきれて いました。
その ころ、村では ながい あいだ 雨が ふりませんでした。たんぼは からからに かわいて、いねは しおれて しまいました。「このままでは、お米が とれないよ。」村の みんなは こまりはてて いました。
三年めの ある 朝、ねたろうが むっくり 起きあがりました。「ああ、よく ねた。さて、しごとを するか。」ねたろうは だまって、山へ のぼって いきました。「やっと 起きたと おもったら、こんどは 山あそびか。」村の 人たちは、くびを かしげました。
山の 上には、大きな 川が ながれて いました。ねたろうは 川の そばの、大きな 岩の 前に 立ちました。「よいしょ、よいしょ。」ねたろうが ちからいっぱい おすと、岩は ごろん ごろんと ころがりました。そして 川の まんなかに、どすんと とまりました。岩に せきとめられた 水は、向きを かえて 山を くだりはじめました。ざあざあ ざあざあ、水は 村の たんぼへ ながれこみました。
「水だ。たんぼに 水が きたぞ。」村の 人たちは 大よろこびです。いねは みるみる 元気に なって、秋には きんいろの ほが たっぷり みのりました。「ねたろうは ねながら、ずっと 水を ひく やりかたを かんがえて いたんだね。」それからは だれも ねたろうを わらわなく なり、村の みんなで だいじに したと いう ことです。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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