Dino Kids

まねきねこ

日本にほんの 言いい伝つたえ・全文(ふりがなつき)

小ちいさな お寺てらの ねこが、手てまねきで おとのさまを よびよせる おはなしです。

「まねきねこ」のさし絵:ねこは のどを ごろごろ ならして、おしょうさんの ひざに すりよりました。

むかしむかし、えどの 町まちの はずれに、古ふるくて 小ちいさな お寺てらが ありました。お寺てらには、やさしい おしょうさんと、一いっぴきの ねこが 住すんで いました。お寺てらは とても まずしくて、ごはんも ほんの すこししか ありません。それでも おしょうさんは、自分じぶんの ごはんを はんぶん ねこに わけて あげました。「おまえが いて くれるだけで、わしは しあわせだよ。」ねこは のどを ごろごろ ならして、おしょうさんの ひざに すりよりました。

ある なつの 日ひ、お寺てらの 前まえの 道みちを、おとのさまたちが 馬うまで 通とおりかかりました。遠とおくへ おでかけした、その かえりみちでした。ふと 見みると、門もんの ところで ねこが 前まえあしを あげて、おいで おいでを して います。「おや、あの ねこは わしらを よんで いるようだ。」おとのさまは ふしぎに 思おもって、馬うまを おり、お寺てらに 入はいりました。

おしょうさんは びっくりしながらも、あたたかい お茶ちゃを いれて もてなしました。その ときです。空そらが きゅうに まっくらに なって、ごろごろ ぴかっと かみなりが なりました。ざあざあと、大おおつぶの 雨あめも ふりだしました。「おお、あのまま 道みちを 進すすんで いたら、ずぶぬれに なる ところだった。」おとのさまは おしょうさんの 話はなしを 聞ききながら、雨あめが やむまで ゆっくり 休やすみました。

雨あめが あがると、おとのさまは にっこり わらいました。「ねこの おかげで たすかった。これからは、この お寺てらを わしが 大切たいせつに しよう。」それから お寺てらは、どんどん りっぱに なって いきました。おしょうさんは、ねこの あたまを なでて 言いいました。「ありがとう。おまえは お寺てらに しあわせを まねいて くれたんだね。」

これが、手てを あげた まねきねこの はじまりだと 言いわれて います。いまでも まねきねこは、お店みせや 家いえの なかで、にこにこ しあわせを よんで いるのですよ。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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