Dino Kids

分福茶釜ぶんぶくちゃがま

日本にほんの昔話むかしばなし・全文(ふりがなつき)

助たすけて もらった たぬきが 茶ちゃがまに ばけて、おれいを する おはなしです。

「分福茶釜」のさし絵:「たぬきくん、もう じゅうぶんだよ。本当に ありがとう。」

むかしむかし、まずしい くずやさんが いました。ある 日ひ、くずやさんは わなに かかった 子こだぬきを 見みつけて、そっと にがして あげました。その 夜よる、子こだぬきが おれいに やって きました。「おじさん、ぼくが 茶ちゃがまに ばけます。お寺てらに うって ください。」たぬきは くるりんと ちゅうがえりして、りっぱな 茶ちゃがまに ばけました。くずやさんは その 茶ちゃがまを、お寺てらの おしょうさんに うりました。

おしょうさんは よろこんで、さっそく おゆを わかそうと しました。茶ちゃがまに 水みずを 入いれて、ひに かけると……。「あちち、あちち。」茶ちゃがまから、けの はえた 足あしと しっぽが にょきっと 出でて きました。「わあ、茶ちゃがまが はしりだしたぞ。」おしょうさんは びっくりして、茶ちゃがまを くずやさんに かえしました。

茶ちゃがまの たぬきは、しょんぼりして 言いいました。「ごめんなさい。こんどは 見みせものを して、おじさんを 助たすけます。」くずやさんは 小ちいさな こやを たてて、「分福茶釜ぶんぶくちゃがまの つなわたり」と かんばんを かけました。たぬきの 茶ちゃがまは、ほそい つなの 上うえを、かさを もって わたりました。くるりと まわったり、ぴょんと はねたり。「すごい、すごい。」町まちじゅうの 人ひとが 見みに きて、こやは いつも 大おおにぎわいでした。

おかげで、くずやさんの くらしは すっかり ゆたかに なりました。「たぬきくん、もう じゅうぶんだよ。本当ほんとうに ありがとう。」くずやさんは 茶ちゃがまを お寺てらに あずけて、大切たいせつに して もらう ことに しました。たぬきの 茶ちゃがまは いまでも お寺てらで、のんびり ひるねを して いるそうですよ。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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