Dino Kids

三枚さんまいのお札ふだ

日本にほんの昔話むかしばなし・全文(ふりがなつき)

こぞうさんが、おしょうさんに もらった 三枚さんまいの お札ふだで やまんばから にげる おはなしです。

「三枚のお札」のさし絵:「こまった ときは、この お札に おねがいを するんだよ。」

むかしむかし、山やまの ふもとの お寺てらに、おしょうさんと こぞうさんが 住すんで いました。ある 秋あきの 日ひ、こぞうさんは「山やまへ くり拾ひろいに 行いきたい」と 言いいました。「山やまには やまんばが いるから、気きを つけるんだよ。」おしょうさんは そう 言いって、こぞうさんに お札ふだを 三枚さんまい わたしました。「こまった ときは、この お札ふだに おねがいを するんだよ。」

こぞうさんは 山やまで くりを たくさん 拾ひろって いるうちに、すっかり 日ひが くれて しまいました。すると、白しろい かみの おばあさんが あらわれて、にっこり わらいました。「こぞうさん、もう くらいから、うちに とまって いきなさい。」こぞうさんは、おばあさんの 家いえに とまる ことに しました。

夜中よなかに 目めを さますと、おばあさんの 顔かおが、こわい やまんばの 顔かおに かわって いました。「たいへんだ、やまんばだったんだ。」こぞうさんが「おしっこに 行いきたい」と 言いうと、やまんばは こぞうさんの こしに なわを むすびました。こぞうさんは おてあらいで なわを ほどいて、柱はしらに むすびなおしました。そして お札ふだを 一枚いちまい 柱はしらに はって、「わたしの かわりに へんじを して おくれ」と たのみました。「こぞう、まだかい」と やまんばが よぶと、お札ふだが「まだ、まだ」と こたえました。その 間あいだに、こぞうさんは そっと 外そとへ にげだしました。

しばらく して、やまんばは だまされた ことに 気きが つきました。「まてえ、まてえ。」やまんばは すごい いきおいで、こぞうさんを おいかけて きました。こぞうさんは 二枚目にまいめの お札ふだを なげて、「大おおきな 川かわに なあれ」と さけびました。すると、どうどうと 大おおきな 川かわが ながれだしました。やまんばは 川かわを ざぶざぶ わたって、まだ おいかけて きます。こぞうさんは 三枚目さんまいめの お札ふだを なげて、「火ひの 山やまに なあれ」と さけびました。やまんばは 火ひが きえるまで、山やまの 前まえで まって いるしか ありません。

こぞうさんは やっと お寺てらに 帰かえりつき、おしょうさんを よびました。おしょうさんは あわてずに、こぞうさんを おくの へやに かくしました。そこへ やまんばが やって きて、「こぞうを 出だせ」と どなりました。「やまんばさん、おまえさんは 何なんにでも へんしん できるそうだね。」「では、小ちいさな 豆まめに なって ごらん。」「そんなの かんたんさ。」やまんばは くるりと まわって、小ちいさな 豆まめに なりました。おしょうさんは その 豆まめを ひょいと 拾ひろって、小ちいさな つぼに 入いれ、ぱたんと ふたを しめました。

「出だして おくれ。もう こぞうを おいかけたり しないから。」「本当ほんとうだね。やくそくだよ。」おしょうさんが ふたを あけると、やまんばは 元もとの すがたに もどって、すごすごと 山やまへ 帰かえって いきました。それからは、こぞうさんも おしょうさんの 言いう ことを よく 聞きくように なったと いう ことです。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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