おには うち
せつぶんの 夜、ひとりぼっちの おじいさんが おにを 家に まねく おはなしです。
むかしむかし、ある 山の ふもとに、ひとりぐらしの おじいさんが いました。おじいさんは まずしくて、いつも ひとりぼっちでした。
せつぶんの 夜が やって きました。どこの 家からも、「おには 外、福は 内」と、豆まきの 声が 聞こえて きます。おじいさんは 豆を てのひらに のせて、考えました。「おには どこの 家からも おいだされて、さぞ さびしかろう。」「わしも ひとりぼっちじゃ。よし、うちでは はんたいに しよう。」おじいさんは 戸を あけて、大きな 声で 言いました。「おには 内、福は 外。」
すると 外から、どすん、どすんと 足音が 聞こえて きました。戸口から のぞいたのは、赤おにと 青おにでした。「じいさま、ほんとうに 入っても いいのかい。」「どこへ 行っても 豆を ぶつけられて、もう へとへとなんだ。」「さあさあ、おはいり。さむかったろう。」おじいさんは いろりに 火を たいて、あたたかい おかゆと おちゃを 出して あげました。おにたちは「うまい、うまい」と よろこんで、なんども おかわりを しました。
おなかが いっぱいに なると、おにたちは 歌って おどりだしました。おじいさんも いっしょに 手を たたいて、わらいました。こんなに たのしい 夜は、ほんとうに ひさしぶりでした。
朝に なると、おにたちは 帰る したくを しました。「じいさま、ゆうべは ありがとう。これは おれいだよ。」おにたちは、こしの ふくろから こばんを ざらざらと 出して おいて いきました。「らいねんの せつぶんにも、また あそびに くるからね。」
それから おじいさんは、もう ひとりぼっちでは ありませんでした。せつぶんが くるたびに、おにたちが にぎやかに たずねて きたと いう ことです。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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