ものぐさ太郎
ねてばかりの ものぐさ太郎が、都へ 行って はたらきものに なる おはなしです。
むかしむかし、しなのの 国に、ものぐさ太郎と いう 男が いました。太郎は とても めんどうくさがりで、一日じゅう ごろりと ねころんで いました。ある 日、太郎は 村の 人に もらった おもちを、ねころんだまま 食べようと しました。ところが おもちが ひとつ、ころころ ころがって、道の まんなかまで いって しまいました。「とりに 行くのは めんどうだなあ。だれか とおったら、ひろって もらおう。」太郎は そのまま 三日も、じっと まって いました。
そこへ、馬に のった おとのさまが とおりかかりました。「もしもし、おとのさま。その おもちを ひろって くださいな。」おとのさまは あきれましたが、太郎の のんきな 顔を 見て、おもわず わらって しまいました。「こんなに のんきな 男は 見た ことが ない。」おとのさまは 村の 人たちに、太郎に ごはんを わけて やるように 言いつけました。
しばらく して、村に 都から しらせが とどきました。「都で はたらく 人を、ひとり よこして ほしい。」だれも 行きたがらないので、村の 人たちは 太郎に たのみました。「ごはんの おれいだ。よし、行って くるよ。」
都へ ついた 太郎は、まるで べつの 人の ように よく はたらきました。朝は いちばんに おきて、夜は おそくまで せっせと はたらいたのです。太郎は、歌を つくるのも とても 上手でした。ある 日、太郎は お寺で 出会った やさしい むすめさんに、歌で 話しかけました。むすめさんは 太郎の 歌が すっかり 気に 入って、ふたりは なかよしに なりました。やがて ふたりは、けっこんして ふうふに なりました。
そのうち、太郎の ごせんぞさまは、じつは 都の えらい 人だった ことが わかりました。太郎は りっぱな 着物を きて、しなのの 国を おさめる ことに なりました。しなのへ 帰った 太郎は、ごはんを わけて くれた 村の 人たちに、たくさん おれいを しました。ねてばかりだった ものぐさ太郎は、みんなに したわれる やさしい とのさまに なりましたとさ。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
このおはなしを読み上げで聞く
アプリ Dino Kids では「ものぐさ太郎」を読み上げつきで聞けます。読んでいる文が光り、速さは3段階。おうちの人の声で録音することもできます。無料・広告なし・アプリ内課金なし。
ほかのおはなし
- 京の かえると おおさかの かえる京の 都の かえると おおさかの かえるが、山の てっぺんで 出会う おはなしです。
- 犬と ねこと ふしぎな たまなくなった ふしぎな たまを、犬と ねこが とりかえしに 行く おはなしです。
- ばけぞうりすてられた ぞうりや げたが、夜に なると おどりだす おはなしです。
- とっつく ひっつく山で ふしぎな 声に こたえた おじいさんの せなかに、こばんが くっつく おはなしです。
- びんぼうがみと 福の神はたらきものの ふうふが、なきだした びんぼうがみを たすける おはなしです。
- おけやの 天のぼり空へ はねとばされた おけやさんが、かみなりさまの 雨ふりを てつだう おはなしです。





