山ぶしと きつね
ひるねの きつねを おどろかした 山ぶしが、きつねに しかえしを される おはなしです。
むかしむかし、山で しゅぎょうを する 山ぶしが いました。山ぶしは、大きな ほらがいを いつも こしに さげて いました。ほらがいを ふくと、「ぶおう」と 大きな 音が 出るのです。
ある ひるさがり、山ぶしは 木の 下で ひるねを して いる きつねを 見つけました。「よし、ちょっと おどろかして やろう。」山ぶしは そっと ちかづいて、きつねの 耳もとで ほらがいを ふきました。「ぶおう。」きつねは とびあがって、ころころ ころげながら 草むらへ にげて いきました。山ぶしは おなかを かかえて、わっはっはと わらいました。
ところが しばらく 歩くと、急に あたりが くらく なって きました。「おや、まだ おひるの はずなのに、もう 夜かな。」遠くから、ちょうちんの あかりが ゆらゆらと いくつも ちかづいて きます。あかりは どんどん ふえて、山ぶしの まわりを ぐるりと とりかこみました。山ぶしは こわく なって、そばの 高い 木に よじのぼりました。
すると あかりの 中から、大きな かげが のっそり 出て きました。かげは 木を のぼって、山ぶしの すぐ そばまで やって きます。そして 山ぶしの 耳もとで、ほらがいの ような 大きな 声を 出しました。「ぶおおう。」「わあっ。」山ぶしは びっくりして 木から すべりおち、下の 川へ ざぶんと おちました。
気が つくと、あたりは もとどおりの 明るい おひるでした。ちょうちんも、大きな かげも、どこにも ありません。ずぶぬれの 山ぶしが 川から あがると、草むらで きつねが こんこんと わらって いました。「さっきの おかえしだよ。」「いや、まいった。いたずらを した わしが わるかった。」それから 山ぶしは、ねて いる 生きものを おどろかす ことは しなかったと いう ことです。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
このおはなしを読み上げで聞く
アプリ Dino Kids では「山ぶしと きつね」を読み上げつきで聞けます。読んでいる文が光り、速さは3段階。おうちの人の声で録音することもできます。無料・広告なし・アプリ内課金なし。
ほかのおはなし
- ものぐさ太郎ねてばかりの ものぐさ太郎が、都へ 行って はたらきものに なる おはなしです。
- 京の かえると おおさかの かえる京の 都の かえると おおさかの かえるが、山の てっぺんで 出会う おはなしです。
- 犬と ねこと ふしぎな たまなくなった ふしぎな たまを、犬と ねこが とりかえしに 行く おはなしです。
- ばけぞうりすてられた ぞうりや げたが、夜に なると おどりだす おはなしです。
- とっつく ひっつく山で ふしぎな 声に こたえた おじいさんの せなかに、こばんが くっつく おはなしです。
- びんぼうがみと 福の神はたらきものの ふうふが、なきだした びんぼうがみを たすける おはなしです。





