Dino Kids

あめは どく

日本にほんの昔話むかしばなし・全文(ふりがなつき)

水みずあめを ひとりじめ したい おしょうさんと、ちえの ある こぞうさんたちの おはなしです。

「あめは どく」のさし絵:「やっぱり。これは どくなんかじゃ ない。水あめだよ。」

むかしむかし、ある お寺てらに、おしょうさんと こぞうさんたちが いました。おしょうさんは、つぼに 入いれた あまい 水みずあめを、こっそり なめるのが 大だいすきでした。ある 日ひ、こぞうさんたちが 聞ききました。「おしょうさま、その つぼには 何なにが 入はいって いるのですか。」おしょうさんは あわてて、こう こたえました。「これはな、子こどもが なめると たいへんな ことに なる、どくなのじゃ。」

つぎの 日ひ、おしょうさんは 用事ようじで 出でかけて いきました。こぞうさんたちは、つぼの ふたを そっと あけて みました。指ゆびで ちょっぴり なめて みると、とろりと あまい 味あじが しました。「やっぱり。これは どくなんかじゃ ない。水みずあめだよ。」ぺろぺろ なめて いるうちに、つぼは とうとう からっぽに なって しまいました。

「どうしよう。おしょうさまに しかられるぞ。」すると、いちばん 小ちいさい こぞうさんが、いい ことを 思おもいつきました。こぞうさんは、おしょうさんの 大切たいせつな おちゃわんを、わざと ぱりんと わりました。それから みんなで 顔かおを あわせて、しくしく なきまねを はじめました。

夕方ゆうがた、おしょうさんが 帰かえって くると、こぞうさんたちが ないて います。「どうしたのじゃ。」「おしょうさまの 大切たいせつな おちゃわんを、わって しまいました。」「おわびに、つぼの どくを なめて、ばつを うけようと 思おもったのです。」「でも、ぜんぶ なめても、ちっとも なんとも ないのです。」

おしょうさんは、からっぽの つぼを 見みて、口くちを ぱくぱく させました。本当ほんとうは 水みずあめだったとは、いまさら 言いえなかったのです。「う、うむ。それは よかった、よかった。」おしょうさんは あたまを かいて、とうとう わらいだして しまいました。「ひとりじめ した わしも、わるかったのう。」こぞうさんたちも、おちゃわんの ことを ちゃんと あやまりました。それからは、水みずあめが あると、みんなで なかよく わけて なめたと いう ことです。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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