Dino Kids

絵えねこと ねずみ

日本にほんの昔話むかしばなし・全文(ふりがなつき)

ねこの 絵えばかり かく 男おとこの子こが、古ふるい お寺てらの 大おおねずみを おいはらう おはなしです。

「絵ねこと ねずみ」のさし絵:大きな ねこ、小さな ねこ、ねむって いる ねこ、とびはねる ねこ。

むかしむかし、ある 村むらに、ねこの 絵えを かくのが 大だいすきな 男おとこの子こが いました。男おとこの子こは お寺てらで べんきょうを する ことに なりましたが、ひまさえ あれば ねこの 絵えを かいて いました。かべにも、ふすまにも、本ほんの すみにも、ねこ、ねこ、ねこ。おしょうさんは とうとう 言いいました。「おまえは、絵えの 道みちに すすむ ほうが よさそうだ。」「ただし 夜よるは、広ひろい ところで ねないで、せまい ところで ねるんだよ。」

男おとこの子こは お寺てらを 出でて、絵えの しゅぎょうの たびを はじめました。ある ゆうがた、山やまの なかで、だれも いない 古ふるい お寺てらを 見みつけました。ふもとの 村むらの 人ひとの 話はなしでは、そこに 大おおねずみが 住すみついて いるそうです。

お寺てらの なかには、まっしろな ふすまが ずらりと ならんで いました。「わあ、ここなら ねこが たくさん かけるぞ。」男おとこの子こは ふでを とって、むちゅうで ねこの 絵えを かきました。大おおきな ねこ、小ちいさな ねこ、ねむって いる ねこ、とびはねる ねこ。かきおわる ころには、すっかり 夜よるに なって いました。

男おとこの子こは、おしょうさんの ことばを 思おもいだしました。そこで、小ちいさな とだなの なかに もぐりこんで ねむりました。まよなかに なると、どたん ばたんと 大おおきな 音おとが 聞きこえて きました。にゃあ にゃあ、ちゅう ちゅうと、さわがしい 声こえも します。男おとこの子こは、とだなの なかで じっと 目めを つぶって いました。

やがて 音おとが やんで、朝あさに なりました。男おとこの子こが そっと とだなを あけると、お寺てらの なかは しいんと して いました。大おおねずみが あわてて にげて いった 足あしあとが、山やまの おくへ つづいて いました。ふすまの ねこたちは、どれも ひげを ぴんと はって、とくいそうな 顔かおを して いました。「きみたちが まもって くれたんだね。ありがとう。」

村むらの 人ひとたちは、大おおねずみが いなく なったと 聞きいて 大おおよろこびしました。ねこの 絵えは、村むらの たからものに なりました。男おとこの子こは その あとも 絵えを かきつづけて、やがて りっぱな 絵えかきに なったと いう ことです。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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