Dino Kids

むかでの おつかい

日本にほんの昔話むかしばなし・全文(ふりがなつき)

足あしの たくさん ある むかでが、お医者いしゃさんを よびに 行いく おはなしです。

「むかでの おつかい」のさし絵:「むかでくんは 足が 百本も あるから、きっと いちばん はやいよ。」

むかしむかし、森もりの 中なかで、虫むしたちが なかよく くらして いました。ある 日ひ、てんとうむしが ねつを 出だして、ねこんで しまいました。「たいへんだ。はやく お医者いしゃさんを よんで こなくちゃ。」「でも、お医者いしゃさんの 家いえは、山やまの むこうだよ。」みんなは 顔かおを 見みあわせて、こまって しまいました。

すると、かぶとむしが ぽんと 手てを うちました。「そうだ、むかでくんに たのもう。」「むかでくんは 足あしが 百本ひゃっぽんも あるから、きっと いちばん はやいよ。」むかでは「まかせて おいて」と、むねを はりました。

みんなは、むかでが 帰かえって くるのを まちました。ところが、いくら まっても むかでは もどって きません。「おかしいなあ。とちゅうで 道みちに まよったのかな。」ばったが ようすを 見みに、戸口とぐちまで ぴょんと とんで いきました。

ばったは 戸口とぐちを のぞいて、目めを まるく しました。むかでは まだ そこに すわって、わらじを はいて いる ところだったのです。「むかでくん、まだ 出でかけて いなかったの。」「だって 足あしが たくさん あるから、わらじを はくのに じかんが かかるんだよ。」むかでは「いち、に、さん」と かぞえながら、まだ 半分はんぶんも はいて いません。ばったは おもわず ふきだして しまいました。

「これでは まにあわないよ。ぼくが 行いって くるね。」ばったは ぴょん、ぴょんと 山やまを こえて、お医者いしゃさんを つれて きました。お医者いしゃさんの おくすりで、てんとうむしの ねつも すっかり さがりました。

みんなが よろこんで いると、むかでが やっと 出でて きました。「さあ、したくが できたよ。お医者いしゃさんを よびに 行いって くるね。」みんなは にこにこ わらって、むかでに おしえて あげました。「むかでくん、もう だいじょうぶだよ。ありがとう。」それからは、いそぐ ときは ばったに、ゆっくりで いい ときは むかでに たのむ ことに したんだ そうですよ。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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