みみずと へび
目の ある みみずと、歌の 上手な へびが、たからものを とりかえっこする おはなしです。
むかしむかし、みみずには ふたつの 目が ありました。くろくて ぱっちりした、きれいな 目です。でも みみずは、声を 出す ことが できませんでした。へびの ほうは、目が ひとつも ありませんでした。そのかわり、へびは すきとおった 声で、それは 上手に 歌を うたったのです。
夜に なると、へびの 歌が 野原に ひびきました。みみずは 土の 中から 顔を 出して、うっとり 聞いて いました。「いいなあ。わたしも あんなふうに 歌って みたいなあ。」へびの ほうも、ためいきを ついて いました。「いいなあ。わたしも 花や 星を、この 目で 見て みたいなあ。」
ある 日、みみずは 思いきって へびに 話しかけました。「へびさん、わたしの 目と あなたの 声を、とりかえっこ しませんか。」へびは びっくりして、それから うれしそうに うなずきました。「それは いい かんがえだ。とりかえっこ しよう。」こうして みみずは 声を もらい、へびは 目を もらいました。
目を もらった へびは、はじめて まわりを 見まわしました。青い 空も、赤い 花も、きらきら 光る 川も 見えます。「なんて きれいなんだろう。」へびは うれしくて、にょろにょろと どこまでも 出かけて いきました。
目を わたした みみずは、明るい ところが にがてに なりました。けれど 土の 中は、くらくても しっとり あたたかくて 安心です。秋の 夜が くると、みみずは 土の 中で 歌を うたいます。「じいい、じいい。」みみずは うたえる ことが うれしくて、まいばん 歌いました。
だから いまでも、秋の 夜に 土の 中から 聞こえる 声を、「みみずが 鳴いて いる」と 言うのです。へびは 声を わたしたので、いまも だまって 目を 光らせて います。みみずも へびも、ほしかった ものが もらえて、まんぞくだったと いう ことです。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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