富士山と やつがたけの せいくらべ
富士山と やつがたけが、どちらが 高いか くらべっこを する おはなしです。
むかしむかし、富士山と やつがたけは、ならんで 立つ 山でした。富士山は 女の 神さま、やつがたけは 男の 神さまです。ふたりは いつも、どちらの せが 高いかで 言いあって いました。「わたしの ほうが 高いわ。」「いいや、わしの ほうが 高いぞ。」
とうとう ふたりは、あみださまと いう ほとけさまに きめて もらう ことに しました。あみださまは 長い 長い 竹の といを、ふたつの 山の てっぺんに わたしました。「さあ、といの まんなかに 水を そそいで みよう。」「水は ひくい ほうへ ながれる。水が ながれて いった ほうが、ひくい 山じゃ。」
あみださまが 水を そそぐと、水は ちょろちょろと ながれはじめました。みんなが じっと 見まもる なか、水は 富士山の ほうへ ながれて いきました。「やったあ。わしの ほうが 高いぞ。」やつがたけは おおよろこびで、むねを はりました。
富士山は くやしくて たまりません。「もう、もう、くやしい。」富士山は 大きな ぼうで、やつがたけの あたまを ぽかんと たたきました。すると やつがたけの あたまは、ぽこぽこぽこっと 八つに わかれて しまいました。「あれれ、あたまが 八つに なっちゃった。」
やつがたけの せが ひくく なったので、こんどは 富士山の ほうが 高く なりました。こうして 富士山は、日本で いちばん 高い 山に なったと いわれて います。やつがたけは、とがった あたまが 八つ ならぶ 山に なりました。やつがたけと いう 名前は、この 八つの あたまから ついたのです。
「たたいて ごめんなさいね。」「いいさ。あたまが 八つ あるのも、なかなか わるくないぞ。」いまでは ふたつの 山は、遠くから なかよく おたがいを ながめて います。はれた 日には、やつがたけの 上から、きれいな 富士山が よく 見えるそうですよ。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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