かみなりさまと くわばら
いどに おちた かみなりさまが、くわばらの 村と やくそくを する おはなしです。
むかしむかし、くわばらと いう 村が ありました。ある 夏の 日、空に くろい くもが もくもくと ひろがりました。ごろごろ、ぴかっ。かみなりさまが、くもの 上で たいこを たたいて はしゃいで いるのです。
ところが かみなりさまは、はしゃぎすぎて くもから 足を すべらせました。「わああ。」ひゅうっと おちて きた かみなりさまは、村の 古い いどの 中へ、どぼんと はまって しまいました。
村の 人たちが いどを のぞくと、かみなりさまが ずぶぬれで ばしゃばしゃ もがいて いました。「たすけて くれえ。わしは 水の 中が にがてなんじゃ。」村の おひゃくしょうさんは、いそいで いどに 大きな ふたを しました。「かみなりさまを 出したら、また 村に かみなりを おとすかも しれないぞ。」いどの 中から、かみなりさまの なきごえが 聞こえて きます。「おねがいだ、出して くれ。くもの 上に 帰りたいよう。」
おひゃくしょうさんは、ふたの 上から 言いました。「では、やくそく して くれるかい。もう この 村に、かみなりを おとさないと。」「やくそくする。くわばらの 村には、もう 二度と おちないよ。」「それから、『くわばら、くわばら』と となえて いる 人の ところにも、おちないと やくそくしよう。」村の 人たちは ふたを はずして、かみなりさまを 出して あげました。かみなりさまは「ありがとう」と 言って、くもに のって 空へ 帰って いきました。
それから くわばらの 村には、ほんとうに かみなりが おちなく なりました。だから いまでも、かみなりが ごろごろ なると、「くわばら、くわばら」と となえる 人が いるのですよ。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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