こうぼう しみず
やさしい おばあさんの 村に、たびの おぼうさんが きれいな 水を わかせて くれる おはなしです。
むかしむかし、水が すくなくて こまって いる 村が ありました。水を くむ ために、みんな 遠い 山の 下の 川まで 歩いて 行かなければ なりません。
ある あつい 日、ぼろぼろの きものを きた たびの おぼうさんが 村に やって きました。おぼうさんは、一けんの 家の 前で 声を かけました。「すみませんが、水を 一ぱい いただけませんか。」「よその 人に やる 水なんか、ないよ。」その 家の 人は、ぴしゃりと 板戸を しめて しまいました。
おぼうさんが となりの 家を たずねると、おばあさんが 出て きました。「まあ、おつかれでしょう。すこし まって いて くださいね。」おばあさんは おけを もって、遠い 川まで 水を くみに 行きました。ながい 時間が かかって、おばあさんは あせを かきながら 帰って きました。「さあ、どうぞ。つめたい 水ですよ。」
おぼうさんは、おいしそうに 水を のみました。「こんなに 遠くまで くみに 行って くれたのですね。」「はい。この 村の みんなは、まいにち 遠くまで くみに 行くんです。」
おぼうさんは にっこり わらって、もって いた つえで 地面を とんと つきました。すると そこから、きれいな 水が こんこんと わきだしました。「この 水は、いつまでも かれる ことは ありません。みんなで 大切に つかって ください。」おばあさんが 顔を あげると、おぼうさんの すがたは もう ありませんでした。
あとで 村の 人たちは、あの おぼうさんが こうぼう だいしさまだったと しりました。わきだした 水は「こうぼう しみず」と よばれ、村の 田んぼも くらしも うるおしました。水を ことわった 家の 人も はずかしく なって、それからは だれにでも やさしく するように なりました。おばあさんは 村の みんなと、いつまでも なかよく くらしましたとさ。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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