Dino Kids

はごろも

日本にほんの 言いい伝つたえ・全文(ふりがなつき)

りょうしさんが 見みつけた はごろもを、天女てんにょさまに かえして あげる おはなしです。

「はごろも」のさし絵:天女さまは、かなしそうに 空を 見あげました。

むかし、海うみの そばに、みほの まつばらと いう きれいな ところが ありました。ある はれた 朝あさ、ひとりの りょうしさんが すなはまを 歩あるいて いました。すると、まつの えだに、うすくて きらきら ひかる きものが かかって いました。「なんて きれいな きものだろう。家いえの たからに しよう。」りょうしさんが きものを もって 帰かえろうと すると、うしろから 声こえが しました。

「もしもし、それは わたしの はごろもです。どうか かえして ください。」ふりむくと、うつくしい 天女てんにょさまが 立たって いました。「はごろもが ないと、わたしは 空そらへ 帰かえれないのです。」天女てんにょさまは、かなしそうに 空そらを 見みあげました。

りょうしさんは、すこし かんがえて 言いいました。「それなら、天てんの おどりを 見みせて くれたら、かえして あげましょう。」「はい。でも、はごろもを きないと おどれないのです。」「かえしたら、おどらずに とんで 帰かえって しまうのでは ないかな。」天女てんにょさまは にっこり わらって こたえました。「空そらの 国くにの 者ものは、やくそくを やぶったり しませんよ。」りょうしさんは はずかしく なって、はごろもを そっと かえしました。

はごろもを きた 天女てんにょさまは、海うみの 上うえで しずかに おどりはじめました。ひらり、ふわり、ながい そでが 風かぜに ゆれます。どこからか、きれいな 音楽おんがくも 聞きこえて きました。りょうしさんは うっとりと 見みとれて いました。

やがて 天女てんにょさまは、おどりながら すこしずつ 空そらへ のぼって いきました。まつばらを こえ、ふじの やまを こえて、天女てんにょさまは 雲くもの なかへ きえて いきました。りょうしさんは いつまでも 空そらを 見みあげて、手てを ふって いたと いう ことです。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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