はちかづきひめ
あたまに 大きな はちを かぶった おひめさまが、しあわせを つかむ おはなしです。
むかしむかし、かわちの 国に、やさしい おひめさまが いました。おひめさまが まだ 小さい ころ、おかあさんが おもい びょうきに なりました。おかあさんは おひめさまの あたまに、大きな 木の はちを そっと かぶせました。「この はちが、きっと あなたを 守って くれますよ。」やがて おかあさんは、遠い 空へ 旅だって いきました。ふしぎな ことに、はちは どうしても あたまから とれません。
あたらしい おかあさんは、はちを かぶった おひめさまを 見て、まゆを ひそめました。「そんな へんな すがたの 子と、いっしょに くらすのは いやです。」おひめさまは ひとりで 家を 出て、遠くまで 歩いて いきました。
やがて おひめさまは、ある りっぱな やしきに たどりつきました。「なんでも します。どうか ここで はたらかせて ください。」おひめさまは 毎日、おふろの 火を たく しごとを いっしょうけんめい しました。はちの 下から 聞こえる 声は、いつも あかるくて やさしい 声でした。
やしきには、いちばん 下の わかさまが いました。ある 夜、わかさまは おひめさまが 美しい 歌を うたうのを 聞きました。「なんて 心の きれいな 人だろう。」わかさまは、はちを かぶった おひめさまを およめさんに したいと 思いました。けれども わかさまの おかあさんは、くびを たてに ふりません。「それなら、およめさんくらべを しましょう。いちばん すてきな 人を えらびますよ。」
およめさんくらべの 日、おひめさまは はずかしくて ふるえて いました。すると そのとき、あたまの はちが ぱかっと われて、ころんと おちました。はちの なかからは、きらきら 光る たからものが ざらざらと こぼれ出ました。そして はちの 下から、まるで 花の ような おひめさまの 顔が あらわれました。「なんて 美しい。それに なんて やさしい むすめさんでしょう。」わかさまの おかあさんも にっこり わらって、ふたりの けっこんを よろこびました。
おひめさまは 空を 見あげて、「おかあさん、ありがとう」と そっと つぶやきました。こうして おひめさまと わかさまは、いつまでも しあわせに くらしたと いう ことです。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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