たにし長者
小さな たにしの むすこが、長者さまの むすめと けっこんする おはなしです。
むかしむかし、ある 村に、子どもの いない おじいさんと おばあさんが いました。ふたりは 毎日、水の 神さまに おいのりしました。「どんなに 小さくても いいから、子どもを さずけて ください。」すると ある 日、おばあさんに 子どもが 生まれました。ところが 生まれたのは、小さな 小さな たにしでした。「神さまからの さずかりものだ。大切に そだてよう。」ふたりは たにしを 水の 入った おわんに 入れて、かわいがって そだてました。
何年も たった ある 日、たにしが 口を ききました。「おとうさん、今日は ぼくが 長者さまの 家へ お米を とどけて きます。」おじいさんが 馬に お米を つむと、たにしは 馬の せなかに ちょこんと のりました。たにしが 歌を うたうと、馬は ぱかぱかと 上手に 歩いて いきました。
長者さまは、歌を うたう たにしを 見て びっくりしました。「なんと かしこい たにしだろう。うちの むすめの おむこさんに なって くれないか。」長者さまには、むすめが ふたり いました。お姉さんは いやがりましたが、妹は にっこり うなずきました。「わたしで よければ、およめさんに なります。」
ある はるの 日、ふたりは そろって お祭りに でかけました。およめさんは たにしを おびに はさんで、田んぼの 道を 歩きました。お宮の 前まで いくと、たにしが 言いました。「ぼくは ここで まって いるから、おまいりして おいで。」おまいりを すませて もどって みると、たにしの すがたが ありません。およめさんは 田んぼに 入って、あちこち さがしました。「たにしどの、たにしどの、どこに いるの。」
すると うしろから、「ここだよ」と やさしい 声が しました。ふりむくと、りっぱな わかものが にこにこして 立って いました。「あなたの やさしい 心の おかげで、ぼくは 人の すがたに なれたんだ。」ふたりは おじいさんと おばあさんの 家へ 帰り、みんなで 大よろこびしました。わかものは よく はたらいて、やがて 村いちばんの 長者に なりましたとさ。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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