こめぶく あわぶく
やさしい こめぶくが、山の おばあさんに 助けられて しあわせに なる おはなしです。
むかしむかし、ある 村に、こめぶくと あわぶくと いう しまいが いました。こめぶくは まえの おかあさんの 子、あわぶくは いまの おかあさんの 子でした。おかあさんは あわぶくばかり かわいがって、こめぶくには いつも つらく あたりました。
ある あきの 日、おかあさんは ふたりに くりひろいを 言いつけました。こめぶくの ふくろには、こっそり 小さな あなが あけて ありました。あわぶくは すぐに ふくろを いっぱいに して、さっさと 帰って しまいました。こめぶくは いくら ひろっても、くりが ぽろぽろ こぼれて しまいます。そのうちに 日が くれて、こめぶくは 山の 中で 道に まよいました。
くらい 山の おくに、ぽつんと 小さな あかりが 見えました。そこには、しらがの おばあさんが ひとりで 住んで いました。「おや、こんな 夜に どうしたんだい。」こめぶくが わけを 話すと、おばあさんは ふくろの あなを ぬって くれました。「あんたは やさしい 子だね。これを もって おいき。」おばあさんは くりを いっぱい つめた ふくろと、小さな 箱を くれました。「こまった ときには、この 箱を あけて ごらん。」
しばらくして、村で お祭りが ありました。おかあさんは あわぶくだけを つれて いき、こめぶくには おるすばんを 言いつけました。こめぶくが 箱を あけると、なかから 美しい きものが 出て きました。こめぶくは その きものを きて、そっと お祭りへ でかけました。お祭りに いた 長者さまの わかさまは、こめぶくを 見て ひとめで すきに なりました。
つぎの 日、わかさまは こめぶくを およめさんに むかえに きました。おかあさんは「あわぶくの ほうが いいですよ」と、あわぶくを 前に おしだしました。わかさまは お皿に しおを もって、まつの 小えだを 一本 たてました。「この お皿を 見て、歌を よんで ください。」あわぶくは「お皿に しお、しおに まつ」と、見た ままを 言っただけでした。こめぶくは すこし 考えて、しずかに 歌いました。「お皿の 山に 雪が ふり、雪の なかから まつが そだつ。」わかさまは すっかり かんしんして、こめぶくを およめさんに むかえました。
おかあさんと あわぶくは、はずかしく なって 顔を まっかに しました。「こめぶく、いままで いじわるを して ごめんなさい。」こめぶくは にっこり わらって、ふたりを ゆるして あげましたとさ。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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