炭やき長者
山おくの すみやきの わかものが、金の ねうちを 知って 長者に なる おはなしです。
むかしむかし、都に、心の やさしい おひめさまが いました。ある 夜、おひめさまの ゆめに 神さまが あらわれました。「山おくで すみを やいて いる、こごろうと いう わかものの およめさんに なりなさい。」おひめさまは 旅の したくを して、遠い 山おくへ 出かけました。
何日も 歩いて、やっと 小さな 小屋に たどりつきました。そこには、すすで 顔を まっくろに した こごろうが いました。「わたしを、あなたの およめさんに して ください。」「とんでもない。わしは まずしくて、あなたに 食べさせる お米も ありません。」「それなら、これで お米を 買って きて ください。」おひめさまは、もって きた こばんを 一まい わたしました。
こごろうは こばんを にぎって、町へ むかいました。とちゅうの 池では、かもたちが すいすい およいで いました。「そうだ、かもを つかまえて、おひめさまに ごちそうしよう。」こごろうは 手に もって いた こばんを、かもに むかって ぽいっと なげました。こばんは かもには あたらず、池の そこへ ぽちゃんと しずんで しまいました。かもたちも、ぱたぱたと とんで いって しまいました。
手ぶらで 帰って きた こごろうを 見て、おひめさまは 目を まるく しました。「あれは こばんと いって、とても 大切な お金なのですよ。」「なあんだ。あんな 黄色い 石なら、すみやきがまの まわりに いくらでも ありますよ。」ふたりで かまの そばへ 行って みると、ほんとうに 金が きらきら 光って いました。近くの 小川の 中にも、金の つぶが たくさん しずんで いました。
こごろうと おひめさまは、その 金で 村の 人たちを 助けました。あたらしい 田んぼや 畑を ひらいて、みんなが おなかいっぱい 食べられるように しました。こうして こごろうは、炭やき長者と よばれるように なりました。ふたりは いつまでも なかよく、しあわせに くらしたと いう ことです。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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