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はなたれ こぞうさま

日本にほんの昔話むかしばなし・全文(ふりがなつき)

花はなうりの おじいさんが、川かわの そこの りゅうぐうから ふしぎな こぞうさまを さずかる おはなしです。

「はなたれ こぞうさま」のさし絵:男の子は はなを たらして、ずるずる すすって います。

むかしむかし、山やまの ふもとに、花はなを うって くらす おじいさんが いました。おじいさんは 毎日まいにち 山やまで 花はなを つんで、町まちへ うりに 行いきました。ある 日ひ、花はなは ひとつも うれませんでした。帰かえりみち、おじいさんは 大おおきな 川かわの 橋はしの 上うえで 立たちどまりました。「もって 帰かえっても しおれて しまう。川かわの 神かみさまに さしあげよう。」おじいさんは 花はなを 川かわへ そっと ながしました。

すると 川かわの 中なかから、美うつくしい 女おんなの人ひとが あらわれました。「りゅうぐうの 王おうさまが、花はなの おれいを したいと おっしゃって います。」女おんなの人ひとは、小ちいさな 男おとこの子こを つれて いました。男おとこの子こは はなを たらして、ずるずる すすって います。「この こぞうさまに たのめば、なんでも かないます。」「ただし、毎日まいにち えびの なますを 作つくって あげて くださいね。」

おじいさんは こぞうさまを 家いえに つれて 帰かえりました。「こぞうさま、お米こめが ほしいのですが。」こぞうさまが はなを ちーんと かむと、お米こめが どっさり あらわれました。「つぎは、あたらしい 家いえを おねがいします。」ちーん、と はなを かむと、たちまち りっぱな 家いえが できあがりました。おじいさんは あっと いう 間まに、村むらいちばんの おかねもちに なりました。

けれども おじいさんは、だんだん めんどうに なって きました。毎日まいにち えびの なますを 作つくるのは、なかなか たいへんです。「りっぱな 家いえに、はなたれの こぞうさまは にあわないなあ。」「こぞうさま、もう ねがいごとは ありません。りゅうぐうへ お帰かえり ください。」こぞうさまは だまって、はなを すすりながら 出でて いきました。すると、りっぱな 家いえも お米こめも すうっと きえて、もとの 小ちいさな 家いえに もどって しまいました。

おじいさんは、はっと しました。「わしは なんて ことを したんだ。こぞうさま、ごめんなさい。」つぎの 日ひから、おじいさんは また 山やまで 花はなを つんで、町まちへ うりに 行いきました。うれのこった 花はなは、ありがとうの 気持きもちを こめて 川かわへ ながしました。おじいさんは 小ちいさな 家いえで、まじめに たのしく くらしたと いう ことです。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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