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田植たうえ地蔵じぞう

日本にほんの昔話むかしばなし・全文(ふりがなつき)

田植たうえが できずに こまって いた おばあさんを、おじぞうさまが そっと 助たすけて くれる おはなしです。

「田植え地蔵」のさし絵:よく 見ると、手にも 小さな なえの はっぱが くっついて いました。

むかしむかし、ある 村むらに、はたらきものの おじいさんと おばあさんが いました。村むらは 田植たうえの きせつに なって、どこの 田たんぼも にぎやかです。ところが、おじいさんは こしを いためて、ねこんで しまいました。「こまったねえ。はやく 植うえないと、お米こめが そだたないのに。」おばあさんは ひとりで 田たんぼに 出でましたが、広ひろい 田たんぼは なかなか おわりません。

日ひが かたむいた ころ、どこからか 小ちいさな 男おとこの子こが やって きました。「おばあさん、てつだって あげるよ。」男おとこの子こは 田たんぼに 入はいると、すいすいと なえを 植うえはじめました。手てを 動うごかす はやさは、まるで 風かぜの ようです。あっと いう 間まに、田たんぼは 緑みどりの なえで いっぱいに なりました。「まあ、なんと ありがたい。おれいに おむすびを どうぞ。」おばあさんが ふりむくと、男おとこの子この すがたは もう どこにも ありませんでした。

家いえに 帰かえって 話はなすと、おじいさんも ふしぎがりました。「どこの 子こだろう。あした おれいを 言いいに 行いこう。」あくる 朝あさ、ふたりは 村むらの はずれの おじぞうさまの 前まえを 通とおりかかりました。すると、おじぞうさまの 足あしが どろだらけに なって いるでは ありませんか。よく 見みると、手てにも 小ちいさな なえの はっぱが くっついて いました。「そうか。おじぞうさまが 植うえて くださったんだ。」

ふたりは 水みずを くんで きて、おじぞうさまの 足あしを きれいに あらいました。そして おばあさんが 作つくった おむすびを、そっと おそなえしました。おじぞうさまは、なんだか にっこり わらって いるように 見みえました。その 年としの あき、田たんぼには こがねいろの いねが たくさん みのりましたとさ。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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