田植え地蔵
田植えが できずに こまって いた おばあさんを、おじぞうさまが そっと 助けて くれる おはなしです。
むかしむかし、ある 村に、はたらきものの おじいさんと おばあさんが いました。村は 田植えの きせつに なって、どこの 田んぼも にぎやかです。ところが、おじいさんは こしを いためて、ねこんで しまいました。「こまったねえ。はやく 植えないと、お米が そだたないのに。」おばあさんは ひとりで 田んぼに 出ましたが、広い 田んぼは なかなか おわりません。
日が かたむいた ころ、どこからか 小さな 男の子が やって きました。「おばあさん、てつだって あげるよ。」男の子は 田んぼに 入ると、すいすいと なえを 植えはじめました。手を 動かす はやさは、まるで 風の ようです。あっと いう 間に、田んぼは 緑の なえで いっぱいに なりました。「まあ、なんと ありがたい。おれいに おむすびを どうぞ。」おばあさんが ふりむくと、男の子の すがたは もう どこにも ありませんでした。
家に 帰って 話すと、おじいさんも ふしぎがりました。「どこの 子だろう。あした おれいを 言いに 行こう。」あくる 朝、ふたりは 村の はずれの おじぞうさまの 前を 通りかかりました。すると、おじぞうさまの 足が どろだらけに なって いるでは ありませんか。よく 見ると、手にも 小さな なえの はっぱが くっついて いました。「そうか。おじぞうさまが 植えて くださったんだ。」
ふたりは 水を くんで きて、おじぞうさまの 足を きれいに あらいました。そして おばあさんが 作った おむすびを、そっと おそなえしました。おじぞうさまは、なんだか にっこり わらって いるように 見えました。その 年の あき、田んぼには こがねいろの いねが たくさん みのりましたとさ。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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