かもとり ごんべえ
いちどに たくさんの かもを とろうと した ごんべえさんが、空を とんで しまう おはなしです。
むかしむかし、ある 村に、ごんべえと いう 男が いました。ごんべえは かもを とるのが 上手でしたが、ちょっぴり よくばりでした。ある さむい 冬の 朝、ごんべえは 池へ でかけました。池には、かもが たくさん ならんで ねむって いました。「しめしめ。一わずつ とるのは めんどうだ。いっぺんに みんな つかまえて やろう。」ごんべえは 長い なわを もって、そっと 池に 入りました。そして ねむって いる かもの 足に、つぎつぎと なわを むすんで いきました。
「よし、これで かもは ぜんぶ わしの ものだ。」ごんべえが なわを ぐいっと ひっぱった、その ときです。かもたちが 目を さまして、いっせいに ばさばさと 羽を ひろげました。「あれれ、あれれ。」ごんべえの 体は、なわに ぶらさがった まま ふわりと 空へ うきあがりました。かもたちは ごんべえを ぶらさげて、山を こえ、川を こえて とんで いきます。「おうい、おろして くれえ。」
やがて 下に、大きな お寺の 高い とうが 見えて きました。ごんべえは おもわず なわを はなして、とうの てっぺんに しがみつきました。かもたちは があがあ ないて、遠くの 空へ とんで いって しまいました。「たすけて くれえ。おりられないよう。」
お寺の おしょうさんや こぞうさんたちが、あわてて 集まって きました。みんなで 大きな ふとんを ひろげて、とうの 下で ぴんと ひっぱりました。「さあ、ここへ とびおりなさい。」ごんべえが えいっと とびおりると、ふとんが ぼよよんと はねました。ふとんを もって いた みんなは、ころころと しりもちを つきました。でも、けがを した 人は ひとりも いません。みんなは 顔を 見あわせて、わっはっはと わらいました。
ごんべえは あたまを かいて 言いました。「よくばりは もう こりごりだ。かもたちにも、わるい ことを したなあ。」それから ごんべえは 村へ 帰って、まじめに 田んぼを たがやしたと いう ことです。
昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。
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