Dino Kids

ひこいちと てんぐの かくれみの

日本にほんの とんちばなし・全文(ふりがなつき)

とんちの ひこいちが、てんぐから すがたの きえる みのを もらう おはなしです。

「ひこいちと てんぐの かくれみの」のさし絵:てんぐは 気に なって、しかたが ありません。

むかし、くまもとの やつしろに、ひこいちと いう とんちの 名人めいじんが いました。ちかくの 山やまには てんぐが 住すんで いて、かくれみのと いう ふしぎな みのを もって いました。それを きると、すがたが すっかり 見みえなく なるのです。「あの みのが ほしいなあ。」

ひこいちは 竹たけを 切きって つつを 作つくり、山やまへ のぼって いきました。そして てんぐの 前まえで、つつを 目めに あてて 大おおきな 声こえを 出だしました。「やあ、よく 見みえる。とおくの 町まちの おまつりまで 見みえるぞ。」てんぐは 気きに なって、しかたが ありません。「ひこいち、わしにも ちょっと 見みせて くれ。」「これは だいじな たからものだから、だめだめ。」「それなら、わしの かくれみのと とりかえっこ しよう。」ひこいちは しめしめと、かくれみのを うけとりました。てんぐが つつを のぞいた ときには、ひこいちは もう みのを きて、すがたを けして いました。

かくれみのを きた ひこいちは、村むらで いたずらを して まわりました。ひるねを して いる おじさんの はなを、こよりで こちょこちょ くすぐったり。村むらの 人ひとたちは「だれも いないのに、へんだなあ」と くびを かしげました。

ある 日ひ、ひこいちの おかあさんが、家いえの すみで ぼろぼろの みのを 見みつけました。「まあ、きたない みのだこと。」おかあさんは みのを もやして、はいに して しまいました。ところが ひこいちが その はいを からだに ぬって みると、やっぱり すがたが きえました。「しめた。」

ひこいちは はいを ぬった まま、おちゃやさんへ 出でかけました。こっそり おだんごを 食たべて、おちゃを ごくごく のむと、口くちの まわりの はいが ながれおちました。「わあ、口くちだけが ちゅうに うかんで いるぞ。」おみせの 人ひとたちは びっくりして、大おおさわぎに なりました。あわてた ひこいちが 川かわへ とびこむと、はいは ぜんぶ ながれて しまいました。「なあんだ、ひこいちじゃ ないか。」ひこいちは あたまを かきかき、おだんごの お代だいを はらって あやまりました。村むらじゅうの 人ひとたちは、おなかを かかえて わらったと いう ことです。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

このおはなしを読み上げで聞く

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