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いずみの小太郎こたろう

日本にほんの 言いい伝つたえ・全文(ふりがなつき)

りゅうの おかあさんと 小太郎こたろうが、湖みずうみを 広ひろい 田たんぼの 土地とちに かえる おはなしです。

「いずみの小太郎」のさし絵:小太郎は、おかあさんの せなかに のりました。

むかしむかし、しなのの 国くにの 山やまに かこまれた ところは、大おおきな 湖みずうみでした。湖みずうみの そこには、さいりゅうと いう りゅうの おかあさんが 住すんで いました。さいりゅうは 東ひがしの 山やまの いけに 住すむ 白しろい りゅうと けっこんして、男おとこの子こを 生うみました。それが 小太郎こたろうです。

けれど おかあさんは、自分じぶんの りゅうの すがたを はずかしいと 思おもって いました。「この 子こには、人ひとの なかで そだって ほしい。」おかあさんは 小太郎こたろうを、山やまの ふもとの やさしい おばあさんに あずけました。小太郎こたろうは おばあさんに かわいがられて、力ちからもちの 元気げんきな 子こに そだちました。

ある 日ひ、おばあさんが 小太郎こたろうに 本当ほんとうの ことを 話はなしました。「おまえの おかあさんは、湖みずうみに 住すむ りゅうなんだよ。」小太郎こたろうは 湖みずうみの ほとりに 行いって、大おおきな 声こえで よびました。「おかあさん、ぼくです。小太郎こたろうです。」すると 湖みずうみが ざわざわ ゆれて、大おおきな りゅうが すがたを 見みせました。「小太郎こたろう、よく きて くれましたね。」

おかあさんは 湖みずうみを 見みわたして 言いいました。「この 水みずを 海うみまで ながせば、ここは 広ひろい 土地とちに なります。」「そう すれば 人ひとびとが 田たんぼを 作つくって、お米こめを たくさん そだてられるでしょう。」「ぼくも てつだうよ。」

小太郎こたろうは、おかあさんの せなかに のりました。おかあさんは 湖みずうみの 水みずを ひきつれて、北きたの 山やまへ むかいました。ゆくてを ふさぐ 大おおきな 岩いわに、ふたりは 力ちからいっぱい ぶつかりました。ごごごごっと 音おとが して 岩いわが くずれ、水みずが どっと ながれだしました。水みずは 山やまの あいだを とおって、遠とおい 海うみまで ながれて いきました。

水みずが ひいた あとには、ひろびろと した 土地とちが あらわれました。人ひとびとは そこに 田たんぼを ひらき、たくさんの 村むらが できました。それが いまの あずみのだと いわれて います。おかあさんは その あと、川かわの ふかい ところで しずかに くらし、村むらを みまもったそうです。いまでも その 川かわは、おかあさんの 名前なまえから さいがわと よばれて います。

昔話をもとに、Dino Kids が子ども向けに文章を書きおこしました(CC0)。

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